本記事では、女性の感染症のひとつである細菌性腟炎についてまとめていきます。本サイトの他の記事であつかっている感染症と違い、細菌性腟炎は性感染症ではありません。とはいえ、おりものや陰部に症状が発症するという点においては似通っています。
もし、細菌性腟炎になってしまった場合には、他の性感染症と同じように、すぐに適切な方法にて治療を受けるようにしましょう。細菌性腟炎の治療においては、抗菌剤の膣錠や内服錠を用いることになります。
クリニックで処方してもらうか、海外医薬品通販サイトから個人輸入することによって、抗菌剤は入手することが出来ます。
目次
細菌性膣炎かも?発症時の特徴
「おりものの量がいつもより多い」
「おりものから異臭がするようになった」
「パートナーに陰部の臭いを指摘されてしまった」
このように、おりものや陰部の異常に気づいたら、細菌性腟炎を疑いましょう。細菌性腟炎の初期症状としては、次のようなものがあります。
- おりものが灰白色や黄緑色になる
- おりものの量が増える
- おりものが魚のように生臭くなる
これらの症状は、膣内で雑菌が繁殖し炎症を起こしてしまっているために発症するものです。膣内には、さまざまな細菌が生息しています。膣内部が健康な場合は、善玉菌である乳酸桿菌によって、適度な酸性状態を保たれることになります。
その結果として、感染をし身体に悪さをする一部の細菌の繁殖を食い止めているわけですね。このバランスが崩れてしまうために、細菌性腟炎になってしまいます。
女性の細菌性膣炎の症状
細菌性腟炎の症状としては、基本的には前述したような、おりものの異常となります。より具体的にまとめていくと、以下のような症状が発症することになります。
- 灰色や白色になった通常よりも粘度の低いサラサラしたおりものが分泌される
- セックス後や生理後におりものがやたらと生臭くなる
- 陰部が赤くなったり、かゆみをともなうようになる
膣炎としては、細菌性のものの他にも以下のような種類があります。
- カンジタ膣炎
- トリコモナス膣炎
- 萎縮性膣炎
これらの膣炎と細菌性腟炎との症状の違いとしては、おりものの色やサラサラした粘度があります。とはいえ、専門医でないと最終的な診断は難しいものです。もし、おりものや陰部の異常を感じるようになったら、すぐに産婦人科を受診することが必要となります。
女性の細菌性膣炎の感染経路
厳密には、細菌性腟炎は性感染症ではありません。つまりは、セックスによってパートナーから移されるタイプの感染症ではないということですね。
今のところ、細菌性腟炎がなぜ発症するかということに対しては、医学的にもよく分かってはいません。ただし、以下にまとめるようなことに当てはまる人は、細菌性腟炎になりやすいとされています。
- 細菌性腟炎以外の他の性感染症を患っている
- 不特定多数とのセックスを日常的にしている
- 疲労やストレスなどによるホルモンバランスの乱れ
- 強い石けんによる膣内部の過剰な洗浄
- 妊娠中の女性
これらのどれかに当てはまり、かつ前述したようなおりものや陰部の異常がある場合には、細菌性腟炎への感染を疑ってみる必要があります。
女性の細菌性膣炎の症状が進行すると
細菌性腟炎は、他の性感染症と違い、自然治癒の可能性があります。しかし、場合によっては、いつまで経っても自然治癒することがなく、症状がどんどん悪化していくこともあるようです。
症状が悪化した場合には、おりものや陰部の症状の他に、高熱や下痢、嘔吐などをともなうことがあります。これは増殖している雑菌に対して、中毒症状を起こしている状態です。早急な対処が必要となります。
また、細菌性腟炎を放置したままでいると、骨盤内炎症性疾患などの合併症につながることもあります。妊婦の場合は、早産や流産のリスクを高めることになってしまいます。
なので、細菌性腟炎の疑いがある場合には、症状を放置することなく、以下にまとめるような、適切な治療を受けることが大事になります。少しでも自分の身体に異変を感じたら、最寄りの産婦人科クリニックを訪れるようにしましょう。
女性の細菌性膣炎の治療方法
細菌性腟炎の治療方法としては、2種類があります。第一に、腟錠(腟坐剤)の使用です。薬剤を膣内に直接挿入するというものですね。細菌性腟炎の治療に用いられる腟錠には、次のようなものがあります。
- クロラムフェニコール腟錠
- メトロニダゾール腟錠
膣錠の使用は、1日1回1錠を6日間行います。膣錠の挿入は、入浴後などの膣内部が清潔な状態で行うようにしましょう。
第二に、内服薬による治療があります。口から薬剤を摂取することによって、繁殖してしまった細菌に対処するということですね。細菌性腟炎の治療に用いる内服薬としては、メトロニダゾール内服錠があります。
トリコモナス膣炎の治療にも使用する抗菌剤ですね。内服薬での治療の場合は、1回500mgを1日2回のペースで7日間服用していきます。細菌性腟炎の内服薬での治療は、保険適用外となるので要注意です。
女性の細菌性膣炎で気をつけるべき事
菌性腟炎の治療において注意するべき点としては、妊婦が細菌性腟炎になった場合には、治療方法が異なってくるということです。たとえば、メトロニダゾール内服錠には、全身への副作用のリスクがあります。
そのため、妊婦への使用は望ましいものではありません。なので、妊婦の場合は、メトロニダゾールのゲル剤やクリームを用いて治療していくことになります。
また、場合によっては、ペニシリン系の抗生物質によって治療を行うこともあるようです。有効成分アモキシシリンを含有するサワシリンやアンピシリンを含有するビクシリンなどですね。
これらを用いての細菌性腟炎の治療においては、2,000mgを1日4回に分けて、7日間服用することになります。これらは、早産や流産を防ぐための処置となります。詳しくは、産婦人科医に相談するようにしましょう。
まとめ:細菌性腟炎には早めの対処を
ここまで、女性の細菌性腟炎についてまとめてきました。繰り返しになりますが、細菌性腟炎は、性感染症ではありません。一部の医学サイトによると、処女でも細菌性腟炎に感染していまうと記述されています。
つまりは、誰にでも発症し得るものだということですね。おりものの増加や異臭に気づいたら、まずは細菌性腟炎を疑うようにしましょう。
自分で判断がつかない場合は、産婦人科の専門医の診察を受ける必要があります。安易に自然治癒を望み症状を放置してしまうのではなく、抗菌剤などを使用した適切な治療を行うようにしましょう。
大事なことは、他の性感染症と同じように、症状が悪化しないうちに治療を行うことです。
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