本記事では、性感染症のひとつである軟性下疳についてまとめていきます。軟性下疳は、梅毒やクラミジアなどの現代日本でポピュラーな性感染症と比べると、知名度や認知度が低くなっています。
実際、日本国内における年間の患者数は、数十人にも満たないとのことです。日本で普通に暮らしている分には、まず関わることのない性感染症となります。
しかし、日本国外では状況が違います。先進国では、日本と同じように、軟性下疳の患者数は少なくなっています。しかし、発展途上国ではいまだに患者数が増えつつあるという情報もあります。
発展途上国に旅行にいったときなどで、現地女性とセックスをする場合は、十分に注意しましょう。コンドームには軟性下疳の予防効果もあるので、装着を忘れないようにしましょう。
目次
軟性下疳かも?発症時の特徴
軟性下疳という性感染症は、東南アジアやアフリカ、南米などで多く見られるものです。日本で暮らしている分にはあまり馴染みのないものかもしれません。
戦後すぐのころは日本でも流行ったことがあるようですが、現在では日本国内での軟性下疳の患者数はほとんどいなくなっています。注意するべきは、海外旅行などに行ったときですね。現地の風俗店などから軟性下疳に感染してしまう可能性はあります。
軟性下疳の初期症状としては、亀頭やカリの部分にできるボツボツです。小豆のような赤い発疹ができます。このボツボツは次第に大きくなっていき、最終的には豆粒ぐらいにまで成長します。
特徴的な潰瘍なので、軟性下疳の感染を診断するのは簡単だとのことです。このボツボツは、痛みがともないます。初期の段階で発症に気づいたら、すぐに治療するようにしましょう。
男性の軟性下疳の症状
軟性下疳の症状が本格化していくと、初期症状でみられた発疹がどんどん大きくなっていきます。この発疹は、ちょっとした外部からの刺激で破れてしまいます。
そして、破れてしまった患部は潰瘍となります。患部にて隣り合った潰瘍は、ときに合体しどんどん大きくなっていきます。この進行した発疹および潰瘍は痛みをともなうものです。
軟性下疳についてまとめてあるサイトによると、この発疹や潰瘍に触れたことで感じる痛みは、「激痛」と表現されています。患部からは、次第に黄色い膿も漏れ出すようにもなります。放置をしていると、皮膚が破けてえぐれたような状態になるようです。
放置していたらこの皮膚の潰瘍は治り、瘢痕となることもあるようです。がしかし、他の性感染症と同じように、自然治癒には期待せず、積極的に治療することが必要になります。
男性の軟性下疳の感染経路
本記事の冒頭でも軽く触れましたが、現代日本においては軟性下疳の患者はほとんどいません。戦後期に一時期だけ流行ったことがあったようですが、現在では患者数は激減しています。
最近では、東南アジアやアフリカ、南アメリカなどの熱帯地域でしかみられない病気です。なので、日本人男性の軟性下疳への感染経路としては、非常に限られてきます。
これらの熱帯地域を訪れた時に感染してしまうというのがほとんどでしょう。現地にいる軟性下疳菌保有者の女性とのセックスで感染する可能性があります。
ちなみに、オーラルセックスでも同様です。また、相手女性の性器付近に軟性下疳の症状が見られた場合、その患部に触れることも避けましょう。その接触から感染することもあるようです。
男性の軟性下疳の症状が進行すると
軟性下疳が悪化すると、潰瘍がどんどん広がっていきます。大豆程度の大きさになったコブのような発疹は、軽く触れたりひっかいたりするだけで潰れてしまいます。
潰れた患部から潰瘍の拡大が始まります。これにともなって、患部の痛みはどんどん強くなっていきます。この痛みは、患部の細胞が壊死していることによって引き起こされるものです。
このように症状が悪化していくと、太ももの付け根のリンパ節やリンパ管の炎症も同時に発症することがあります。これらの炎症は、圧痛をともないます。
指などで炎症している患部を圧迫すると、痛みや不快感・違和感を感じるようになります。また、リンパ節やリンパ管の炎症によって、発熱や悪寒、頭痛などの症状が発症することもあるので要注意です。
男性の軟性下疳の治療方法
軟性下疳の治療方法としては、抗生物質による投薬治療となります。多くの場合おいて、抗生物質を服用することで一週間もすれば軟性下疳の症状は治癒することになります。軟性下疳の治療に使用する抗生物質としては、次のようなものがあります。
- マクロライド系抗生物質
- エリスロマイシン
- ジスロマック
- ニューキノロン系抗生物質
- シプロキサン
- セフェム系抗生物質
- ロセフィン
また、 軟性下疳からリンパ節・リンパ管炎が発症してしまっている場合は、患部に膿がたまってしまうことがあります。その炎症の症状がひどくなった時には、太ももの付け根のそけい部を切り開いて治療することもあるようです。
リンパ管やリンパ節が炎症になるのは、軟性下疳に感染してから2~3週間後です。そうなるまえに、上記の抗生物質での治療が必要になります。
男性の軟性下疳で気をつけるべき事
軟性下疳に感染すると、HIVに感染しやすくなることが報告されています。なので、軟性下疳の感染が疑われるようなならば、すぐに治療を開始しなければいけません。
また、軟性下疳は感染してからの潜伏期間が短く、感染後、2日~1週間もすると症状が発症するようになります。また、症状も発疹や潰瘍など気づきやすいものとなっています。
そのため、症状に気づかないまま、自分のパートナーとセックスしてしまうようなことはほぼありません。女性が軟性下疳に感染している場合も、似たような症状が発症します。
なので、海外でセックスをするときは注意を払うようにしましょう。軟性下疳はコンドームを適切に使用することで、感染の予防を期待することができます。海外でも忘れずにコンドームを装着することが大事です。
まとめ:軟性下疳は海外での感染に注意
軟性下疳という感染症は、日本においては戦後の一時期に流行したという記録があります。しかし、その後、今に至るまで感染者数は減少の一途をたどっています。現代日本社会においては、軟性下疳はほぼ見当たらない性感染症となっています。
しかし、東南アジアやアフリカ、南米などの熱帯地域においては、軟性下疳はいまだに猛威を振るっています。海外旅行などで熱帯地域を訪れるときには、注意を払うようにしましょう。特に気をつけるべきは、現地女性とセックスです。
発展途上国の性風俗店では、今もなお性病が蔓延する劣悪な環境下で働く女性がいます。そのような、女性の間で感染が拡大している可能性があるのが軟性下疳です。海外で風俗店に行くなというわけではありませんが、コンドームでの予防は確実にするようにしましょう。
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