本記事では、ケジラミ症についてまとめていきます。ケジラミ症は、1970年台に日本国内において急激に患者数が増加した感染症です。その後、患者数は減少傾向にありましたが、2000年前後より再び患者数は増加傾向にあります。
ケジラミ症は、特別に不潔な人がなる特殊な症状ではありません。誰にでも発症しうる感染症がケジラミ症です。
ケジラミ症はシラミが寄生することで発症します。シラミの寄生する部位として多いのは、陰毛です。陰毛のシラミは、パートナーとのセックスによる接触により、相手の陰毛へと感染が拡大していきます。
ケジラミの発症に気がついたらパートナーとのセックスは控え、感染部位を剃毛したり、ケジラミ治療の医薬品を用いることで対処するようにしましょう。
目次
ケジラミ症かも?発症時の特徴
ケジラミとは、その名の通り、シラミが人の毛に寄生することにより発症するものです。人に寄生するシラミは、他の動物に寄生することはありません。つまり、人から人へとシラミは感染していくことになります。
ケジラミが寄生する部位として多いのは、陰毛となります。これはセックスによって自分の陰毛が感染者の陰毛に接触することによって、シラミの寄生が始まることが多いためです。
ケジラミ症は、最初の1ヶ月から2ヶ月ほどは、何の自覚症状もない状態が続きます。シラミに寄生されたからといって、すぐに以下にまとめるような症状が発症するというわけではないということですね。
この時期で自分がシラミに感染しているかどうかを見極めるのは難しくなります。パートナーや家族にケジラミ症を発症している人がいる場合には、自分の感染も疑う必要があります。
ケジラミ症の症状
陰毛などへのケジラミの感染後、だいたい1ヶ月から2ヶ月ほどでシラミの寄生部位に強いかゆみを感じるようになります。セックスによる感染の場合は、主に陰毛周辺にかゆみが発症することになります。
このかゆみの程度には個人差があります。数匹のシラミの寄生でかゆみを感じる人もいれば、シラミが増殖しても全くかゆみの自覚がない人もいます。
また、シラミが増殖することによって、陰毛以外の部分にシラミが移りかゆみが発症することもあります。
- 肛門の周辺
- わき毛
- 胸毛
- すね毛
- まつ毛
- 眉毛
これらの部位にもシラミは寄生し、かゆみが発症する場合もあります。これらの部位と比べると、頭部へのケジラミの感染確率は少なくなっているようです。このシラミによるかゆみは、シラミの唾液による身体のアレルギー反応とされています。
ケジラミ症の感染経路
前述したように、ケジラミ症の主たる感染経路は、セックスになります。つまり、ケジラミ症に感染しているパートナーとセックスをすることにより、お互いの陰毛が接触し、パートナーのシラミが自分に移ってきてしまうということですね。
あくまで接触によって感染していくものであり、不潔だからといってケジラミが発症しやすくなるというこはありません。
また、セックス以外にも、ケジラミ症感染者と布団や毛布、タオルなどを共有することによる、間接的なケジラミ症の感染もあります。セックスパートナー間だけでなく、家族間でもケジラミは感染する可能性がいるということです。
そのため、身近な人にケジラミ症の発症があった場合には、自分のケジラミ症への感染も疑ってみたほうが良いでしょう。
ケジラミ症の症状が進行すると
基本的に、ケジラミ症による症状としては、感染部位のかゆみのみです。しかし、かゆみの症状がひどくなると、次のような症状に発展していくことがあります。
- 湿疹
- かぶれ
- 他の細菌感染症
これらの症状は、ケジラミ症のかゆみで患部を引っ掻いた傷によって発症するものです。かゆみがひどくとも、出来るだけかきむしることはせずに、適切な治療を受けることが必要となります。
また、シラミによって血を吸われることにより、ヘモジデリンという色素が皮膚の奥に沈着してしまうことがあります。その場合、患部に青灰色の斑点が出来ることもあります。
このような状態にならないためにも、ケジラミ症の感染に気づいた場合には、以下にまとめるような治療法で、素早い対応をする必要があります。
ケジラミ症の治療方法
ケジラミ症とは、陰毛などの毛が生えている部位にシラミが寄生することで発症するものです。人の毛に寄生しているシラミは、その毛を離れては生きていくことは出来ません。
そのため、ケジラミ症に対する最もシンプルな治療方法としては、感染部位の剃毛となります。陰毛にシラミが寄生している場合には、性器周辺の毛を剃ってしまえば良いというわけですね。
剃毛以外のケジラミの治療方法としては、シラミ駆除に特化した「スミスリン」という医薬品があります。スミスリンには、シャンプータイプとパウダータイプのものがあります。
スミスリンは市販薬であり、クリニックなどを受診せずとも、街中のドラッグストアなどで手軽に購入することが出来ます。
ケジラミ症で気をつけるべき事
ケジラミ症において注意するべきことは、他の性感染症と違い、ケジラミ症はコンドームなどでの予防が出来ないということです。
前述のように、ケジラミ症の感染は、陰毛同士など他者の毛と自分の毛とが接触することによって起こるものです。なので、いくらコンドームをしたとしても、ケジラミ症には無意味となります。
また、ケジラミ症が発症した場合、他の性感染症にも同時に感染しているケースが多く報告されています。ケジラミ症との併発が多い感染症は次の通りです。
- HIV
- 梅毒
- B型肝炎
- クラミジア
ケジラミ症への感染が発覚した場合には、念の為にもこれらの性感染症の検査も一緒に受けることをおすすめします。
まとめ:ケジラミ症は直接接触で感染する
ケジラミ症は、シラミが陰毛など毛の生えている部分に寄生することによって発症する感染症です。
セックスによってパートナーと陰毛が直接触れ合うことによって感染するものです。また、感染者と布団や衣類、タオルなどを共有することでも感染は広がっていきます。
ケジラミ症の症状は、感染部位の強いかゆみです。シラミが寄生してから、だいたい1ヶ月から2ヶ月ほど経った後に、このかゆみの症状が発症することになります。
ケジラミ症の治療方法としては、感染部位の剃毛かケジラミ対策用のシャンプーやパウダーなどがあります。早期治療を心がけましょう。
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