本記事では、性病検査において詐欺行為を行っていた病院の事例を紹介します。一部の悪徳な医療機関では、性病検査を受けてきた患者から、不当に高額な医療費をだまし取っています。患者側は、そのような病院・クリニックとは関わらないように注意しなければいけません。
大事なことは、事前の病院・クリニック選びです。
- 保険適用の有無
- 自由診療の価格
- 性病検査の質
これらの項目において、自分の望むものをしっかりと把握しておくようにしましょう。いかにして信頼のおける医療機関を見つけることが出来るかが大切です。
目次
病院・クリニックでの性病検査における詐欺
「病院・クリニックで性病検査を受ければ、とりあえずは安心だろう」
このように思ってはいないでしょうか。もし、あなたがこのように思われている場合には、注意が必要です。医療機関における性病検査においても、過去に詐欺行為が行われていたことがあるためです。
後述するように、性病というのは極めてプライベートな問題です。他の病気と違い、なかなか周囲の人に相談するということも出来ないことです。
この弱みにつけ込んで詐欺行為を行う倫理観の低い医療関係者がいるというのも、残念ながら事実となります。以下にその代表的な事例をまとめます。
医師によるウソ診断
性病検査における詐欺行為として最もよく知られているのは、2015年に東京地裁で判決が下された詐欺事件です。この事件は、医師が患者に対して「あなたは性病にかかっている」とウソの診断をし、不当に治療費などを巻き上げたというものです。
つまりは、医師が性病の検査結果を正しく患者に伝えていなかったというものです。私たちは、医師をはじめとする医療関係者に対して、一定の信頼を置いているかと思います。しかし、場合によっては、その信頼を裏切られるケースもあるということですね。
裁判所による賠償の支払い命令
上記の事件は、件の医師の患者の一人が東京地裁に損害賠償を求める訴えをおこしたことにより発覚しました。東京地裁は医師の詐欺行為を認め、医師に対して原告男性への約50万円の支払いを命じています。この裁判の過程で明らかになった性病検査の実態は、かなり悪質なものです。
医師は患者に見せる性病検査の結果が記載されたカルテに、ニセの基準値を虚偽記載していたとのことです。そして、そのカルテをもとに患者を性病と認定し、高額な性病治療薬を売りつけていました。似たような被害を受けた患者は、総勢数千人にものぼるとされています。
性病は羞耻心ゆえに騙されやすい
ここまで大きな被害が生まれてしまったのは、一重に性病という病気の性質ゆえにでしょう。性病に対しては、どうしてもネガティブなイメージがついて回ります。
「性風俗店に通っていたのでは?」
「不特定多数と自由奔放なセックスをしたのでは?」
自分の周囲に性病にかかったことがバレると、このようなことを思われてしまうかもしれません。このような不安のために、多くの患者さんは医師の診察に疑問があったとしても、それを周囲に相談することをしません。このために、上記の悪徳医師に騙されてしまうのです。
怪しいと思ったらセカンドオピニオンを
上記の事件における原告男性が「自分は詐欺にあっているのでは」と気づいたのは、別の医療機関で診察をしてもらったためです。性病と診察された性器周辺の発疹が、別の病院では単なるあせもと診察されたとのことです。この結果、最初の病院で詐欺にあっていたことが発覚しました。
繰り返しになりますが、性病は羞恥心ゆえに他者には相談しにくいものです。しかし、自分の中で思いつめているだけでは、上記のような悪徳医師に騙されてしまう可能性もゼロではありません。
少しでも病院・クリニックの対応に疑問や不安がある場合には、セカンドオピニオンとして他の医療機関を訪れるなどするようにしましょう。
性病検査では病院・クリニック選びが大事
本サイトでは、性病検査における病院・クリニック選びの大切さを繰り返し主張しています。詳しくは、「性病検査する上での病院の正しい選び方とポイント」という記事をチェックして下さい。
一重に性病検査といっても、その検査の方法や質というのは、各医療機関によって変わってきます。
上記に例として挙げた、悪徳医師は特別に悪質なケースです。しかし、程度の差こそあれ、似たような詐欺行為を行っている病院・クリニックはないとは言い切れません。性病検査を医療機関で受けるにあたっては、事前の病院・クリニック選びをしっかりと行うようにしましょう。
保険適用の有無
性病検査を受けるにあたって、まずチェックするポイントは「健康保険の適用を受けることが出来るかどうか」ということです。
一部の病院・クリニックでは、保険適用の性病検査を行っていない場合もあります。また、保険が適用される場合には、性病と思われる症状がすでに発症していなければならないなどの条件もあります。
ご存知の通り、保険適用を受けることが出来れば、支払う検査費用などの医療費は3割の負担で済ますことが出来ます。「少しでも安く性病検査を受けたい」という希望のある場合は、その医療機関にて保険適用の性病検査が実施されているかどうかを事前に把握しておくようにしましょう。
自由診療における価格の違い
性病治療に特化したようなクリニックでは、多くの場合において保険適用の性病検査を認めない場合がほとんどです。
そのようなクリニックで行われる性病検査は、自由診療となるということですね。自由診療とは、医療機関側で価格設定が出来るものであり、その費用は患者の全額自己負担となります。
この自由診療の価格は、各医療機関によってかなりの開きがあります。同じ性病検査であっても、受診するクリニックによって1万円程度の差があることもあります。安さを重視するか質を重視するかにもよりますが、事前に自分の希望と合致した病院・クリニックを見つけるようにしましょう。
保健所なら無料でやってくれる
「性病検査には出来るだけお金をかけたくない」
このような思いが強い方の場合は、お住まいの地域の保健所で性病検査が行われていないかをチェックしましょう。保健所での性病検査というとHIV検査をイメージするかと思いますが、施設によってはクラミジアや梅毒などのメジャーな性病の検査も行われています。
多くの場合において、これらの保健所で行われる性病検査は無料かつ匿名で行うことが出来ます。もちろん、マイナーな性病の検査は行われていないなどの欠点はあります。しかし、もっとも手軽に性病検査が出来る施設なので、興味がある方は事前にチェックしておくようにしましょう。
まとめ:悪徳な医療機関があることを知る
性病検査を受けるにあたって大事なことは、「信頼の出来る病院・クリニックを見つけ出す」ということです。性病という病気特有の患者の不安につけ込んで、一部の医療関係者は性病検査において詐欺行為を行っている場合があります。
大切なことは、そのような悪徳医師を事前に選択肢から排除することです。医師および医療関係者だからといって、必ずしも倫理的で高潔な人間であるとは限りません。少しでも不安や疑問がある場合には、周囲の人に相談したりセカンドオピニオンを受けたりするようにしましょう。
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